沖田 新作さん(Uターン)
沖田 新作さん(32歳)
2014年長崎県からUターン
家族構成:夫婦・子ども2人(0歳・2歳)
職業:飲食店経営(てるまに珈琲・カフェブエラ)
30歳までに島に帰る
中学の時にバレーボールの全国大会に出場し、スカウトされ大阪の高校、大学へ。その後、自動車メーカー、新潟県、長崎県のバレーボールチームと各地を転々としました。一時期、飲食店でも働いていました。
高校から島外に出してもらったので、島ではできない経験を積み、30歳までに島に帰ろうと思っていました。
空き店舗活用でコーヒー屋さんをオープン
29歳で島に帰ってきて、実家の手伝いをしながら何ができるのか探っていたところ、知人に地元有線テレビの求人情報を教えてもらい応募し、採用してもらいました。
取材で自営で頑張っている人に会うことが多く、自分も自営でやってみたいという思いが日に日に強くなり、2016年5月に思い切って有線テレビ辞めました。
2カ月後の2016年7月に、気軽に入れるコーヒー屋さんをコンセプトにしたコーヒー専門店を始めました。
突飛な感じですが、もともと父親がコーヒーの苗を育てていて、オープンの1年前から一緒にコーヒー栽培を始めました。自分が育てたコーヒーをお店で出せたらと思っていたのです。
店舗は空き店舗を活用し、自分達で2カ月かけて改修しました。
実験を楽しむ
現在、約800本のコーヒーを育てています。
ネットで取り寄せた苗のほかに、鹿児島市の老舗珈琲屋さんでコーヒーの勉強をした際に、ドミニカのコーヒー農園で育てられた苗を分けていただきました。
異国の地ドミニカに渡った日本人が経営しているコーヒー農園産の苗が沖永良部島で育ち、沖永良部島産コーヒーとして提供する、そんなストーリーを作りたいです。
沖永良部島は寒暖の差がないのでどうなるのか、赤土で土壌の環境としてどうなのかと気になることがいくつかありますが、実験だと思って楽しんでいます。
意外に早くに決まった住宅
住宅に関してはなかなか見つからないのでは?と覚悟していましたが、意外に早くに決まりました。
島に帰ってきた当初は実家に住んでいました。1年くらい経ち、応募していた公営住宅に当たりました。ラッキーでした。
今年2月に2店舗目「カフェブエラ」を隣町に出しました。忙しくなり子供と一緒にいる時間が少なくなりましたが、
妻の両親がサポートしてくれるので助かっています。
沖永良部島だからできることがもっとある
沖永良部島だからできることがもっとあると信じています。離島で限られた環境の中で何かをやるというのがかっこいいじゃないかと思います。
島を訪れた人が島の人と交流し生活に触れ、自分もこんな生活を送りたいと思って移住するというのが理想なんじゃないかと思うんですよね。
「住宅がありますよ!移住しませんか?」よりも、島に住んでいる人たちが楽しく幸せな生活をおくることが移住促進だと思います。そのためにも、僕自身が楽しみたいと思います。
- 【 カフェブエラの外観 】
- 【 カフェブエラの仲間 】
夢が広がる
一歩踏み出すといろんな人と知り合うことができ、情報が集まってくることを実感しています。
昨年10月から今年初めにかけて、奄美群島広域組合主催の「奄美でシゴトを創るゼミ」に参加しました。起業家やベンチャー企業の設立に携わった講師陣から実務的な話を聞くことができ勉強になりました。なによりも起業を目指している参加者の皆さんと知り合えたのがよかったです。ゼミに感化され、さらにやりたいことが増え夢が広がります。
夢のひとつが、今育てているコーヒーの木が成長しコーヒー園の規模になったら、畑の横に小さな小屋を建ててそこでコーヒーを提供することです。
観光客がコーヒーの木を眺めながらコーヒーを飲んでいる絵を想像するとワクワクします。
それが一つの観光ルートとなり、そこに雇用が生れ、島に貢献できたらと思っています。
※記事は2017年8月の取材です。
2017/09/15