島の仕事レポート

カフェ「スイートキッチン」オーナー 入來 美津子さん

2017/06/28

カフェ「スイートキッチン」オーナー 入來 美津子さん

島にいくつかあるカフェのひとつ「スイートキッチン」のオーナー入來美津子(いりきみつこ)さんから、どこか懐かしい感じがする店内でお話しを伺いました。
実家の敷地にカフェを開業、そこに人が集い、島で初めての天然酵母のパン教室を開き、パン作りの文化が少しずつ広がってきて、これって地域活性化だと思いました。

スイートキッチンオーナー 入來 美津子さん

【 スイートキッチンオーナーの入來 美津子さん 】

実家でカフェ開業のきっかけ

10年前、実家近くの病院で調理師として働いていたのですが、父の介護をしていた母が脳内出血で倒れ、母の介護をするために仕事をやめました。
母は、幸い大事に至らず、退院後私たち夫婦と一緒に生活していました。そのうち自分の家に帰りたいと言い出し、日中だけ実家で母と一緒に過ごすことなり・・・
しばらくして、母が元気になってきたので、そろそろ仕事をしたいと思い、家で母の様子を見ながらできる仕事を考えました。
自分にできることは何だろう?と考えた時に、料理がある!カフェをやってみたいと思ったのです。

 

スイートキッチン入来さん

病院で調理師として働いていた頃に、患者さんの反応を間近で見て、人に料理を出す楽しさを思い出したのです。
「今日の盛り付けよかったよ」と言われるともっと盛り付けの勉強をしてみよう、こうしたらおいしく食べてもらえるのでは?喜んでもらえるのでは?と自分なりにいろいろ考え、それが楽しく自分自身の喜びでもありました。

実は「おいしくない」と怒鳴られたことがあり、「おいしい」だけだったら、単なる病院食で終わっていたと思います。

コストを抑えての店づくり

カフェ開業にあたり、借金しないでできるだけコストを抑えた店づくりを自分自身との約束にしました。
自分たちの家を建てばかりだったので、付き合いがある大工さんに相談をしたら親身になって考えてくれました。
タイミングもよかったですね。
古い実家と同じテイストで作ってほしいとお願いしたところ、大工さんがストックしていた校舎建て替え時に出てきた教室の窓、
職員室のドアなどを提供してくれました。職員室のドアはカフェの入り口に使いました。
ペンキ塗りなど自分たちでできるところは自分たちでやりました。

スイートキッチン店内1

スイートキッチン 外観

焦らずに、ゆっくりと長く続けて行きたい

オープン当初は、お客さんにお水を出すときに手が震え、接客は向いてないのではと思いました。今更なんですけどね。
人と接せるのは好きだけど商売をやるとなると違います。
オープンの告知もせず、友人にも知らせず、静かなオープンでした。
友人から「お店のオープンはいつ?」と聞かれて「もうオープンしたよ!」という始末でしたので、オープン当初は1日2人くらいで、静かに開けて、静かに閉める日々でした。

スイスイートキッチン 手作り看板

スイートキッチン店内

お店を始めたからには、焦らずに、ゆっくりと、一生続けようと思っています。

目標は、80過ぎのおばあちゃんになっても手足が動くうちはコーヒー1杯でも出せるお店をやって行きたいと思っています。
そこに同年代のおじいちゃん、おばあちゃんが来てくれたら最高です。

コーヒー
最近、近所のおばちゃんたちが来るようになり、ちょっとしたたまり場になってきました。
近所の人たちにも受け入れてもらえてきたかなとうれしく思います。

移住されてきた方、転勤されてきた方、観光の方は、SNS情報をみていらっしゃるみたいです。
島の方は、お客さんが宣伝してくれて、口コミで少しずつ広がり、常連さんも増えてきました。
今では、お客さんとお話ができるくらい余裕ができました。ただし、お客さんから話かけられたら話すというスタンスでやっています。
食材は、国産にこだわり、野菜は地元の旬のものを使うようにしています。

スイートキッチン ランチ

パンづくりの楽しさを共有したい

3年前から天然酵母のパン教室を始めました。
パン教室を始めたきっかけは、6年前に母が沖縄の病院に入院することになり、つきそいで沖縄へ行っていた時に時間があり、お料理教室に通っていました。そこで知り合った方からパン教室を勧められて行くようになりました。

3年位経って、先生から島でパン教室をやってみたらと言っていただき、私自身、他の人たちとの共同作業のパンづくりの楽しさにはまっていて、ぜひやりたいと思いました。

都会では普通に買うことができるハード系のパンですが、島ではなかなか手に入りません。食べたかったら自分で作るしかない、自分でつくるのはハードルが高いからと諦めてしまいがちですが、身近にパン教室があったらどんなにいいだろうと思いました。

どんなにおいしいパン屋さんよりも焼きたてのパンがおいしいと思います。その喜びをお客さんと共有できたらと始めた部分が大きいですね。
もう一つは、「カフェ経営はプラス何かをやらないと厳しい」と同業の仲間と話していたので、プラスを探していたのもあります。パン教室を始めたら経営的に多少よくなってきました。

島で初めての天然酵母のパン教室

パン教室を開く時には、カフェをオープンした時とは違って、生徒さんが集まるかなと不安で一杯でした。
「身体にやさしい天然酵母のパン作ってみませんか?」「初めての方でも簡単に美味しいパンが焼けるようになりますよ♪」と
店内に貼り紙をしたところ、7人も集まってくれました。

生徒さん達が、焼いたパンを友人知人に配ってくれて、パン教室の存在が広がり今年で丸3年となり、生徒数も30人くらいになりました。男性の生徒さんも数名います。いろんな年代の方にも来てほしいです。

パン教室が終わった生徒さんの発表の場とパン教室のPRも兼ねて、みへでぃろ市、あしきぶふぇすたなど地域イベントに出店することもあります。声を掛けると快く手伝ってくれる生徒さんたちに助けられています。

隣の与論島や徳之島でやっているマルシェにも、生徒さんたちと一緒に参加できたらと思っています。

これからも楽しいことを求めて

自分で言うのもなんですが、楽しいことが好きなので、楽しいことを見つけることが上手です。
カフェもパン教室も楽しい体験がなかったらやってなかったと思います。

オーナーいりきさん
住まいが隣町なので、行き帰り車を運転しながら、いろんなことを考えます。もちろん楽しいことです。
歳を重ねてきたら住まいの近くでお店をやりたいです。
町の裏通りに広めの敷地を求めて、庭にシンボルツリーのガジュマルがあって、その下で生演奏を聴きながらお月見ができて・・・といろいろ考えると楽しいです。

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